近年、マーケティングにおいてUGC(ユーザー作成コンテンツ)の重要性がますます高まっています。UGCとは、ユーザーが生成するコンテンツのことで、レビューや写真、動画、コメントなどを含む、一般ユーザーがSNSやショッピングサイトのレビューなどで発信するリアルな声のことです。このUGCを効果的に活用することで、ブランドの信頼性や認知度を大幅に向上させることができます。
本記事では、UGCを活用したマーケティングの成功事例や、すぐにはじめられるUGC活用方法、UGCのメリットと注意点について詳しくご紹介します。UGCを取り入れるときの参考にしてみてください。
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UGCとは?
UGC(User Generated Content)とは、企業が発信するものではなく、一般ユーザーが自らの体験や意見をもとに作成したコンテンツを指します。具体的には、顧客やファンが投稿する写真、動画、レビュー、ブログ記事、コメントなどがこれに該当します。
UGCは、企業やブランドが直接発信するコンテンツとは異なり、ユーザー自身の視点から情報が提供されるため、より信頼性が高く、親近感を抱かせる効果があります。
UGCの種類
- 商品レビュー
- 写真や動画
- 商品レビューや使用体験のブログ記事
- InstagramやXなどでの投稿
- 掲示板や動画などへのコメント
UGCを活用するメリット
UGCを自社マーケティングに活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
企業が発信する情報よりも信頼性が高い
オンラインショッピングをする際、多くの方が商品レビューを参考にして買い物をしていると思います。
商品レビューはUGC(User Generated Content)のひとつで、実際に商品を購入したユーザーが発信する正直な感想です。そのため、信頼性が高いという特徴があります。
消費者は企業が発信する広告よりも、他のユーザーのレビューや体験談を信頼する傾向があります。消費者庁が令和5年に実施した「消費者意識基本調査」では、「メーカーや販売者による商品説明よりも、口コミの評判を重視する」という質問に対し、「当てはまる」と答えた人は36.5%、「当てはまらない」と答えた人は26%でした。口コミを重視する人の割合が高いことがわかります。
そのため、UGCを通じて提供される情報は、買い物をするユーザーにとって非常に説得力があるのです。
コスト削減効果
UGCはユーザー自身が自発的に作成するコンテンツです。したがって、企業が大規模な広告キャンペーンを実施するよりもコストがかかりません。ユーザーが自発的にブランドや製品を宣伝してくれるため、広告費を削減することができます。
ソーシャルメディア管理ツールを提供するアメリカの企業・EveryoneSocialの行った調査によると、UGCを活用することで以下のようなコスト削減効果があったと報告されています。
- UGCベースの広告は、平均よりもクリック率が4倍高く、クリック単価が50%削減された
- UGCを活用したウェブキャンペーンは、UGCを使用しないキャンペーンに比べてコンバージョン率が29%高い
- UGCは専用のコンテンツプロデューサーを雇うための費用、約72,000ドルを節約できる
出展:Everyonesocial UGC Statistics
以上のようなことから、UGCには広告効果もあり、宣伝にかかるコストを削減できることがわかります。
SEO効果
SEOは、頻繁に更新されるコンテンツが高く評価される傾向にあります。
ユーザーが投稿するレビューやコメントなどは、サイトに常に新しい情報を追加するため、検索エンジンでのランキングが向上する可能性が高まります。
また、UGCには自然な言葉遣いやロングテールキーワードが含まれていることが多く、これもSEOに有利なポイントです。
UGC活用の成功事例
ここからは、実際にUGCを活用している成功事例として、ドン・キホーテ、ニトリ、アテニアの事例をご紹介します。
ドン・キホーテ
ドン・キホーテは「マジボイス」というUGCを活用したサービスを展開しています。マジボイスは、専用サイトやドン・キホーテのオリジナル電子マネー「majica(マジカ)」の公式アプリ内で提供されており、顧客の声を集めるためのシステムです。顧客は購入後に「正直レビュー」と「おしえて掲示板」の2つの項目を通じて意見や感想を投稿できます。
「正直レビュー」では、顧客が購入した商品について「いいよ!」または「ビミョー」の二択で評価し、コメントを投稿することができます。これにより、リアルな使用感や評価を他の顧客と共有できる仕組みが整っています。一方、「おしえて掲示板」では、店舗に関する気づきや商品に関する情報交換が行われており、顧客同士のコミュニケーションだけではなく、店舗からの回答や改善報告などもあります。
さらに、ドン・キホーテはInstagramでもUGCを積極的に活用しています。購入者の投稿をストーリーでシェアすることで、商品のリアルな感想や使用感を他のユーザーにも伝えています。
このような取り組みは、スーパーという業態ではUGCを集めるのが難しい中で、顧客のリアルな声を集め、それを商品やサービスの改善に役立てている事例です。
ニトリ
ニトリはUGCを活用して、顧客とのエンゲージメントを強化しています。
公式Xアカウントでは、ニトリで購入した商品についてのユーザーの投稿を引用リツイートし、リアルな使用感を他の顧客に伝えています。さらに、該当商品の商品詳細ページへのリンクも合わせて提供することで、宣伝にも活用。エゴサーチでUGCを集めているほか、「#ニトリで見つけた」というハッシュタグで、ユーザーからの投稿を募っています。
また、2023年の年末には、「#今年はニトリのこれ優勝2023」キャンペーンを実施。このキャンペーンは、1年のうちにニトリで購入した商品で特に良かったものを投稿するよう呼びかけるもので、応募者のなかからニトリ商品券を抽選でプレゼント。プレゼントが魅力的なこともあり、多くのユーザーが参加しました。
以上のように、ニトリはXで集めたUGCを通じて商品やサービスの魅力を広めるとともに、顧客の満足度とブランドロイヤルティを向上させることに成功しています。
アテニア
エイジングケア専門ブランドのアテニアは、UGCを活用するために口コミサービスとファンコミュニティを運営しています。
まず、アテニアの公式サイトには「口コミサービス」があり、顧客は商品を使用した感想や評価を投稿できます。口コミを投稿すると、公式サイトでの買い物に使えるポイントが貯まる仕組みがあり、これにより投稿のインセンティブが高まります。投稿するとポイントが貯まり、次の買い物では他のユーザーの口コミを参考に買い物ができるというサイクルが生まれています。
また、「アテニアファンコミュニティ」では、ユーザー同士が交流し、商品について意見交換を行うことができます。コミュニティ内での活動によりポイントが貯まり、そのポイントを使ってプレゼントに応募することができます。
以上のような取り組みにより、アテニアは顧客からのフィードバックを収集し、商品改善や新商品の開発に役立てています。UGCの活用は、顧客との信頼関係を築くことにも大きな役割を果たしています。
UGCのマーケティング活用方法
UGCの活用事例として、ドン・キホーテ、ニトリ、アテニアの事例をご紹介しましたが、中小企業や店舗でも低コストですぐにはじめられるのがUGCを活用したマーケティングです。
具体的に、どのような方法でUGCを活用できるのかご紹介します。
SNSの活用
SNSはUGCを活用する最も手軽な方法です。InstagramやXといった公式SNSアカウントを開設して、ユーザーに商品の写真や使用感を投稿してもらいましょう。
例えば、店舗や商品の専用ハッシュタグを作成して投稿を募集し、その中から選んだ投稿を公式アカウントでリポストすることができます。また、コメントやメッセージを通じて顧客と直接コミュニケーションを取ることで、より親近感を持ってもらえるのもSNSのメリットです。
レビュー収集
レビューは消費者の購買決定に大きな影響を与えるため、積極的に収集しましょう。
自社のウェブサイトやGoogleビジネスプロフィール、Amazonなどのプラットフォームでレビューを受け付ける仕組みを整えます。購入後のフォローアップメールでレビュー投稿を依頼したり、レビューを投稿してくれた顧客に対して特典を提供することも効果的です。信頼性の高いUGCを多く集めることで、他の顧客に対してリアルな使用者の声を届けることができます。
ハッシュタグキャンペーン
短期間で多くのUGCを集めたい場合は、SNSでのハッシュタグキャンペーンが効果的です。
ハッシュタグキャンペーンは、特定のハッシュタグを使用して顧客に投稿を促す方法です。例えば、「#店舗名おすすめ商品」などのハッシュタグを設定し、そのハッシュタグを使った投稿を募集します。キャンペーン期間中に投稿された内容をコンテスト形式で評価し、優秀な投稿には賞品を提供することで、多くの参加を獲得することができます。
UGCを使った広告
集めたUGCを広告に活用することで、信頼性と親近感を高めたコンテンツを発信することができます。
ユーザーが投稿した写真やレビューを「お客様の声」や「私も使っています!」などのように広告素材として使用し、SNS広告やウェブ広告、LPページなどに取り入れます。例えば、インスタグラムのストーリーズ広告にユーザーの投稿を使用することで、よりリアルな商品の使用感を伝えることができます。また、顧客の声を反映した広告は、他の消費者にとって説得力があり、広告効果を高めることが期待できます。
イベントの実施
UGCを集めるために、リアル開催のイベントを実施することも効果的です。
例えば、新商品の発売記念イベントや試食会、ワークショップを開催し、参加者にその様子をSNSに投稿してもらうようお願いします。イベント中に特定のハッシュタグを使用して投稿を促すことで、多くのUGCを短期間で集めることができます。また、イベント自体が顧客とのエンゲージメントを高める機会となり、長期的な関係構築や、より濃いファンを増やすといった側面でも効果的です。
UGCを活用したマーケティングの注意点
UGCをマーケティングに活用する際には、以下のようなポイントに注意することが重要です。
著作権やプライバシーに気を付ける
UGCはユーザーが生成したコンテンツであり、著作権は原則としてそのユーザーに帰属します。写真や動画、文章などのコンテンツを無断で使用すると著作権侵害となる可能性があるため、必ずユーザーから使用許可を得ることが重要です。
また、ユーザーの顔が映った写真を使うと肖像権侵害にあたる可能性もあります。プライバシーにも注意してUGCを活用しましょう。
コンテンツの正確性と信頼性が担保できない
UGCは、ユーザーの投稿の正確性を担保できないという点はデメリットです。基本的にはユーザーの主観によって投稿されるため、情報の偏りや誤りが含まれる場合があります。誤った情報が発信されると、企業側の評価にも営業を与えることも。
コントロールするのは難しいですが、ハッシュタグキャンペーンなどでは、コンテンツの内容を確認し、適切なフィルタリングを行うことが必要です。
やらせレビューやステマをしない
UGC活用の際には、やらせ(フェイクレビュー)にも注意する必要があります。
良いレビューを集めるために、裏で報酬を用意してやらせレビューを投稿してもらったり、第三者を装って宣伝を行うステマ(ステルスマーケティング)などを行ってしまうと、ブランドの信頼性を大きく損ねる可能性があります。UGCの協力を募る場合は、ステマ(ステルスマーケティング)規制に違反しないように、十分注意しましょう。
まとめ
UGC(User Generated Content)の活用は、ブランドの信頼性や認知度を高めるために非常に効果的です。ドン・キホーテ、ニトリ、アテニアの成功事例を見ても、UGCをうまく活用することで顧客とのエンゲージメントを強化し、売上向上に繋げています。
UGCには、信頼性の向上、コスト効率の良さ、SEO効果などのメリットがある一方で、やらせレビューやプライバシーの管理には注意が必要です。適切な運用と管理を行い、UGCを効果的に活用することで、持続的なブランド成長を実現しましょう。
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