2024年現在、Instagramのアクティブユーザー数は20億人を突破。そのうち、実に90%以上のユーザーが少なくとも1つのビジネスアカウントをフォローしているといいます。この巨大なプラットフォームで、適切に設計された広告は驚異的な効果を発揮します。実際、Instagram広告の平均エンゲージメント率は他のソーシャルメディアプラットフォームの2.2倍という調査結果も出ています。
しかし、この可能性を最大限に活かすには、戦略的なアプローチが不可欠です。「どのような広告が効果的なのか?」「予算はどう設定すべきか?」など、悩むことが多いのも事実です。
本記事では、Instagram広告の種類の解説や、各配信面の特徴、Instagram広告の戦略の立て方の基本、成功事例3選までご紹介。初めてInstagram広告に挑戦する方から、すでに運用しているけれどもっと効果を上げたいと考えているマーケターまで、参考にしていただけると幸いです。
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Instagram広告とは?
Instagram広告は、写真、動画、ストーリーズ、カルーセルなどの形式で提供される広告です。これらの広告は、ユーザーのフィード、ストーリーズ、発見タブなどに表示され、ビジネスがターゲットオーディエンスにリーチし、エンゲージメントを高めるために使用されます。Instagram広告の目的は、ブランド認知度の向上、ウェブサイトへのトラフィックの誘導、製品やサービスの販売促進など、多岐にわたります。
Instagram広告を効果的に活用するためには、まずその基本的な仕組みと特徴を理解することが重要です。記事の後半では、Instagram広告の種類、配信面の種類と特徴について詳しく解説しますので、ぜひ最後まで御覧ください。
Instagram広告の成功事例
まずは、日本国内の企業でInstagram広告を活用している成功事例3選をご紹介します。
ANA
ANA(全日本空輸)はInstagramを積極的に活用している企業です。
2014年から、Instagramのオーガニック投稿や広告を活用し、ブランド認知度の向上を目指しています。
広告戦略では、特にミレニアル世代(誕生年が1981年から1990年代なかばごろの世代)にターゲットを絞って展開。キャンペーンごとに目的に合わせたターゲットを設定し、配信しながら精度をあげていくという運用を行っています。
継続的なInstagramの広告活用により、2024年時点でフォロワー数は93万人を超えています。
(出典:MarkeZine)
Tropicana
果物の飲料を販売する老舗の「Tropicana」が、InstagramとFacebookのフィードやストーリーズなどの通常配置の広告に、Instagramリールを加えたキャンペーンを実施した事例をご紹介します。
Instagram広告の効果を最大化するためにA/Bテストを実施。通常の広告配置と、それにリールを加えた広告とで、ブランド認知度とキャンペーンパフォーマンスが向上するかを検証しました。
結果として、リール配置を追加したことで、費用対効果が2.4倍に向上し、店舗売上が1.1%増加しました。広告は、延べ1,600万人にリーチしました。
ABテストにより、異なる広告配置を比較することで、最適な戦略を見出せることがわかります。
(出典:Facebook公式サイト|成功事例)
ツヴァイ
株式会社ツヴァイの事例では、結婚相手紹介サービスのイメージ改善と新規会員獲得を目指し、Instagram広告を活用しました。
特に若年女性をターゲットに、ストーリーズ広告とストーリーズカルーセル広告を使用。年齢や結婚歴に応じたターゲティングを行い、その方たちに向けて最適なメッセージの配信を行いました。
ストーリーズカルーセル広告では、ユーザーの能動的な視聴を促す工夫を施し、ブランドのサービスや世界観をより効果的に伝えることに成功しました。
ストーリーズの中でも、チャプターを分けて投稿できるカルーセル広告をうまく活用して、伝えたいメッセージのストーリー性を高めることに成功した事例です。
(出典:Facebook公式サイト|成功事例)
Instagram広告の配信方法
Instagram広告の配信方法にはいくつか種類があります。
ここでは、Instagramアプリ内で手軽に配信できる「投稿の宣伝」と、詳細に広告の設定を変更できる「Meta広告マネージャ」、MetaのSNSを統括的に管理できる「Meta Business Suite」の3つのツールについて、特徴やカスタマイズ性などを比較表にまとめました。
投稿の宣伝 | Meta広告マネージャ | Meta Business Suite | |
---|---|---|---|
広告の表示先 | 主にフィード | フィード ストーリーズ リール 発見タブ | フィード ストーリーズ広告 |
設定方法 | Instagramアプリ内 | Meta広告マネージャ | Meta Business Suite |
操作性 | 簡単 | より複雑 | 中程度 |
カスタマイズ性 | 限定的 | 高い | 中程度 |
ターゲティング | 基本的 | 詳細 | 中程度 |
予算設定 | シンプル | 柔軟 | 中程度 |
分析ツール | 基本的 | 詳細 | 中程度 |
プラットフォーム | Instagram限定 | Facebook, Instagram | Facebook, Instagram, Messenger |
ここからは、「投稿の宣伝」「Meta広告マネージャ」「Meta Business Suite」3つのツールについて、特徴や使い分けのポイントを解説していきます。
投稿の宣伝(Instagramアプリ)
投稿の宣伝は、最も簡単に始められるツールで、Instagramでの既存の投稿を簡単に宣伝できる機能です。Instagramアプリ内で直接操作可能。
自社アカウントの投稿を開くと、「投稿を宣伝」というボタンが表示され、ここから簡単に広告を配信できます。投稿を宣伝した場合、主にユーザーのフィードに表示されます。
広告初心者や小規模ビジネスにおすすめです。特定の投稿の反応を見たい場合や、急いで宣伝を開始したい場合にも有効です。
- Instagramアプリから簡単に広告を配信できる
- 広告初心者や小規模ビジネスが手軽に始めるのに適している
- 特定の投稿の反応を見たい場合や、急いで宣伝を開始したい場合に有効
- 低予算でのテストマーケティングに適している
Meta広告マネージャ
Meta広告マネージャは、最も高度で詳細な広告管理が可能なツールです。詳細な広告設定、高度な分析ツール、多様な広告形式に対応しています。詳細な広告戦略を展開したい場合には、高機能なMeta広告マネージャが適しているでしょう。
Meta広告マネージャにログインした後、ダッシュボードからターゲット、予算、スケジュールなどの細かいカスタマイズをすることができます。Instagramの「フィード」「ストーリーズ」「リール」「発見タブ」のどこに広告を表示するかを選択できるのもメリットのひとつ。
特に大規模な広告キャンペーンや複雑な広告戦略を展開する場合に最適で、広告専門家や中大規模ビジネスに推奨されます。
- 大規模な広告キャンペーンや複雑な広告戦略を展開する場合に最適
- 詳細なターゲティングや予算管理が必要な場合に使用
- A/Bテストや広告の最適化を行いたい場合に適している
Meta Business Suite
Meta Business Suiteは、Facebook、Instagram、Messengerの統合管理ができるツールです。複数のMeta関連プラットフォームを一元管理したい場合に適しています。広告機能としては、Instagramの投稿の宣伝と、Meta広告マネージャの中間ぐらいに位置します。
Instagram広告では、フィードとストーリーズに広告を表示させることができます。
FacebookもInstagramも両方広告を配信したい、という場合に一番便利。特に中小規模ビジネスにとっては、基本的な広告機能と、ある程度の詳細設定のバランスが取れているツールです。
- 複数のMeta関連プラットフォームを一元管理したい場合に適している
- 投稿、メッセージ、インサイト、広告を統合的に管理したい中小規模ビジネスに最適
- 基本的な広告機能と、ある程度の詳細設定のバランスが取れている
- マルチプラットフォームでのソーシャルメディアマーケティングを行う場合に有効
Instagram広告の表示先の種類
Instagram広告には、表示される場所や形式によっていくつかの種類があります。表示される場所は、「フィード」「ストーリーズ」「リール」「発見タブ」の4種類。
フィード広告
- ユーザーのメインフィードに表示される広告
- 画像、動画、カルーセル(複数の画像や動画を横にスワイプして表示)形式が可能
- 「スポンサー」表示付きで通常の投稿と似たデザイン
Instagramフィード広告は、ユーザーのメインフィードに自然に溶け込む形で表示される広告形式です。通常の投稿と同じように画像や動画を使用し、「スポンサー」表示付きで掲載されます。この広告タイプの強みは、普段ユーザーがInstagramを見ている画面に違和感なく広告を組み込めることです。
画像、動画だけでなく、複数の画像や動画を使用できるカルーセル形式も人気で、製品ラインナップの紹介やストーリーテリングに適しています。
フィード広告は幅広い目的に対応でき、ブランド認知度の向上から直接的な商品販売まで様々な用途に使えます。効果的に活用するには、高品質な画像・動画と簡潔で魅力的な見出しを組み合わせ、ターゲットに合わせたメッセージの発信を心がけることが重要です。また、「もっと見る」ボタンなどの明確なCTAを設置することで、アクションを促進できます。
ストーリーズ広告
- Instagramストーリーズの間に表示される全画面広告
- 15秒までの動画や画像を使用可能
- 高いエンゲージメント率が特徴
Instagramストーリーズ広告は、ユーザーのストーリーズ視聴中に全画面で表示される動的な広告形式です。15秒以内の短い動画や静止画を使用し、視聴者の注目を集中的に獲得できます。
この広告タイプの特徴は、高いエンゲージメント率と没入感のある体験を提供できることです。スワイプアップ機能を活用すれば、直接ウェブサイトやアプリへ誘導することも可能です。
ストーリーズ広告は特に若年層へのリーチに効果的で、ブランドの個性やクリエイティビティを存分に発揮できるプラットフォームとなっています。効果的な活用には、モバイルに最適化された縦型コンテンツの制作が不可欠です。ストーリーズの一過性を活かし、期間限定の情報や、ターゲットを限定したセール、緊急性のある情報にも適しています。
リール広告
- 短尺動画「リール」の間に表示される広告
- 最大60秒までの動画を使用可能
- 若年層へのリーチに効果的
Instagramリール広告は、短尺動画フォーマットであるリールの間に表示される比較的新しい広告形式です。最大60秒の動画を使用でき、音楽やエフェクトを活用した創造的な表現が可能です。
この広告タイプの主な利点は、エンターテイメント性の高いコンテンツに自然に溶け込み、高いエンゲージメントを得られることです。特に若年層のユーザーに人気のあるフォーマットで、ブランドの魅力を動的に伝えるのに適しています。
リール広告は、製品デモンストレーション、ブランドストーリーの紹介、ハウツーコンテンツなど、様々な用途に活用できます。効果を最大化するには、トレンドを取り入れた面白みのある内容や、視聴者の興味を引く独創的なアプローチが重要です。また、最初の数秒で視聴者の注目を集めることが成功の鍵となります。
発見タブ広告
- 「発見」タブ内に表示される広告
- ユーザーの興味関心に基づいて表示されるため、高いターゲティング精度
Instagram発見タブ広告は、ユーザーが新しいコンテンツを発見する「発見タブ」に表示される広告形式です。ユーザーの興味関心に基づいて表示されるため、高いターゲティング精度が特徴です。
発見タブは、ユーザーの興味関心に基づいて自動で表示される機能です。つまり、ユーザーが積極的に新しい情報を探している状態で表示されるため、ブランドや製品の認知拡大に特に効果的です。この特性を活かし、ユーザーの好奇心を刺激するようなビジュアルや、興味を引く見出しを用いることが重要です。新製品の紹介や、ニッチな市場へのアプローチにも適しています。
Instagram広告の戦略の立て方
ここでは、Instagram広告の戦略の立て方の基本的なステップをご紹介します。具体例を挙げるために「東京で新規オープンした和菓子店」を想定して解説していきます。
まずは、広告を通じて何を達成したいのか明確にすることが重要です。
目標の例としては以下のようなものがあります。
- 新商品のお知らせを広める(認知度向上)
- 店舗やウェブサイトへの来訪者を増やす(トラフィック増加)
- 商品の購入や予約を増やす(コンバージョン)
広告配信を通じてどの数値を伸ばすしたいか、目標を設定しましょう。
例えば、新規オープンした東京の和菓子店であれば「1ヶ月で店舗への来店者を100人増やす」といった具体的な数値目標を立てます。
どんな人に広告を見てほしいか、具体的な人物像をターゲットとして設定します。
年齢や地域、属性などのだいたいのターゲットと、より詳細な人物像を想定するペルソナの両方を設定するといいでしょう。
ペルソナを設定することで、ユーザー像をより詳細にイメージできるため、適切な広告戦略を立てることが可能になります。
ターゲットの例
- 年齢層: 20代後半〜40代前半
- 性別: 女性中心
- 興味: スイーツ、和文化、インスタ映えする場所
- 地域: 東京都内および近郊県
ペルソナの例
- 基本情報
- 職業: 大手企業の営業職、居住地: 東京都目黒区、年収: 450万円、未婚
- ライフスタイル
- 休日は友人とカフェ巡りやアート展に行くのが趣味
- インスタグラムでフォロワー1000人以上のマイクロインフルエンサー
- 健康志向で、週2回はヨガに通っている
- 和菓子に関する興味
- 伝統的な和菓子よりも、現代風にアレンジされたものに興味がある
- 季節感のある和菓子を探している
- 写真映えする和菓子を好み、SNSでシェアすることが多い
- 行動パターン
- 通勤時や昼休みにInstagramをチェック
- 週末は友人と新しいカフェや和菓子店を探索
- 和菓子を自分へのご褒美や、手土産として購入することが多い
広告配信するための、目を引く写真や動画を用意しましょう。
和菓子店の例だと
- 季節の和菓子を美しく盛り付けた写真
- 職人が和菓子を作る様子の短い動画
- 店内の雰囲気が伝わるインテリア写真
など、商品の魅力や店のこだわりなどが伝わるビジュアルを準備しましょう。さらに、見出しとなるキャプションも重要です。
ステップ2で設定したターゲットやペルソナに刺さるコンテンツは何かを考えて決定するといいでしょう。
このとき、著作権に注意する必要があります。必ず、自社で撮影した素材や商用利用可能なストック素材などを利用しましょう。
「Instagram広告の表示先の種類」で紹介した4つの表示先の中から、広告形式を選択します。
- フィード広告: タイムラインに表示される通常の投稿形式の広告
- ストーリーズ広告: 全画面で表示される15秒までの動画や写真
- リール広告: 短い動画を使った広告(TikTokに似た形式)
- 発見タブ広告:高いターゲティング精度の通常の投稿形式の広告
和菓子店の例であれば、まずはフィード広告で商品写真を、次にストーリーズ広告で店舗の雰囲気を動画で紹介するという流れで広告を打つことが考えられます。
広告の予算とスケジュールを設定します。
Instagramアプリ内で設定できる「投稿の宣伝」であれば、予算は1日1ドルから、期間は1日間から少額で設定できます。
Meta広告マネージャを使った広告でも、一日あたりに使用する広告費の上限を設定できるほか、目標に基づいて自動的に入札を行う自動入札機能やクリック単価を自分で設定できる手動入札なども設定できます。
初めは少額から始めることがおすすめです。例えば1日1,000円程度から。 期間は1~2週間程度に設定し、効果を見てから調整します。
「ABテスト」とは、2つの異なるバージョンの広告を同時に配信し、どちらがより効果的かを比較する方法です。
例えば、同じ商品の写真で、キャッチコピーだけを変えた2種類の広告を作成し、それぞれの反応(クリック数や購入数など)を測定します。結果を分析することで、より効果的な広告デザインや文言を見つけ出し、広告効果を向上させることができます。
例えば、ひとつの商品について2つのパターンの広告を同時に配信します。
A: 「季節限定!桜餅」というシンプルな文章と商品写真
B: 「春の訪れを感じる和菓子」という文章と、桜の背景付きの商品写真
どちらの方が効果が出たかを測定し、次の広告コンテンツに役立てます。
広告を配信したら、広告管理画面で以下の指標を確認します。
- リーチ数(広告を見た人数)
- エンゲージメント(いいね、コメント、保存の数)
- クリック数(広告をタップしてサイトや店舗情報を見た人数)
- コンバージョン(実際に来店や購入につながった数)
これらの数字を見ながら、効果が高い広告の特徴を分析し、次の施策に活かしていきます。
以上のような7ステップで、Instagram広告の戦略を立ててみてください。小さく始めて徐々に改善していくのがコツです。
まずは自社の商品やサービスの魅力を、写真や動画で分かりやすく伝えることから始めてみてください。
まとめ
Instagram広告は、視覚的な魅力を最大限に活かし、ターゲットオーディエンスに効果的にリーチできる強力なツールです。ブランド認知度の向上、ウェブサイトへのトラフィックの誘導、製品やサービスの販売促進など、さまざまな目的に活用することができます。
本記事では、Instagram広告の基本的な概要から、投稿の宣伝、Meta広告マネージャ、Meta Business Suiteを使った広告の違いや特徴について解説しました。また、広告が表示されるフィード、ストーリーズ、リール、発見タブといった多様な表示先についても説明しています。さらに、広告戦略の立て方と、成功事例としてANA、トロピカーナ、ツヴァイのケーススタディを紹介しました。ぜひ、Instagram広告を活用するときの参考にしてください。
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